蒲団の隧道(ふとんのとんねる)は、霊界物語第2巻第25章#の章題。

隧道(すいどう)とはトンネルのこと。

前章で言霊別命常世城常世姫の宮殿)から逃げ出した。

本章では、常世城の重臣・猿世彦が、竜世姫(言霊別命の脱走を手助けした)の行動を怪しんで詰問した。竜世姫はシラを切り、ネル尽くし(ネルの韻を踏む)の歌を歌って胡麻化した。その中で〈行衛はどこぢやと尋ねるも 妾は知らんで言ひかねる 寝床の後を眺むれば 布団の隧道《トンネル》開いてある あまり寝るにもほどがある〉と歌っている。

フトンのトンネルが開いているとは、今までそこに寝ていたと思っていたら、フトンが盛り上がっているだけで、中には誰もいなかった、ということか。つまり前章〔第2巻第24章藻脱けの殻#〕でのエピソードを言っている。言霊別命が寝ている枕辺で、常世姫の部下の小島別竹島彦が張り付いていたが、竜世姫が休憩を命じると、二人は別の部屋へ行き寝込んでしまった。そのすきに竜世姫は言霊別命を常世城から逃がした。