真珠湖
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概要
- 表記ゆれ:真珠の湖(しんじゅのうみ)
- 初出:第81巻第1章「イドム戦」#
- 第81巻だけに出る。
- 伊佐子の島の中央に大栄山脈という大山脈が東西に横たわり、その南側をイドムの国、北側をサールの国と呼ぶ。真珠湖は大栄山脈の南面(イドム側)の中腹の広い平地にあり[1] [2]、南北10里、東西20里ある大湖水。海水のように塩分を含み、膝を没する程度で水上を歩くことも出来る。[3]
- 真珠湖には人面魚身の人魚が数多住み、湖辺に、国津神同様に茅(かや)で屋根を葺いた家を構え、その生活はほとんど国津神と酷似している。[3]
- イドムの国津神たちは、人魚を捕まえて色々と苦しめ泣かすと、不思議なことに人魚の涙は真珠の玉と化した。それを頭や胸に飾ったり、また内服すると身体は光を放ち、美しい子が生まれた。そのためイドムの国津神はみな美男美女ばかりだった。それに対してサールの国津神たちは、みな肌が黒く、髪は縮れ、背は低く、醜男醜女ばかりだった。[3]
主なエピソード
- サールの国王エールス王は、真珠湖を占領して種族の改良を計るため、大軍隊を率いて大栄山脈を越え、真珠湖に向かって進軍した。イドムの国王アヅミ王はこれを迎え撃つことに決めるが、時すでに遅く、イドム城はサール軍に占領され、アヅミ王は100里南方の月光山に立て籠もってイドムの国の再興を策す。〔第81巻第1章「イドム戦」#〕
- イドム城を占領したエールス王は、王妃サックス姫と左守チクターの隠謀によって崖から突き落とされ死んでしまい、サックス姫が女王となった。〔第81巻第7章「月音し」#〕
- 人魚たちは真珠湖の東西南北に人魚郷を作り、国津神と同様の生活をしていた。あるとき、真珠湖の中央に突出する真珠島に4人の酋長が集まり、国津神の襲来を防ぐために協議していると、女王サックス姫が数百の騎士(ナイト)を従えて、人魚を捕獲しようと山を登ってくる。4人の酋長は数万の人魚たちを北郷に集めた。騎士たちは東西南の三郷に陣取るが、人魚は一つも見えない。騎士たちは数隻の舟で真珠島に渡ってくる。北郷の酋長は水底を泳いで北郷に帰り、数万の人魚に一斉に敵を殲滅することを訓示した。真珠島に残った3人の酋長は、真珠の岩を敵に投げつけると、サックス女王を始め騎士たちは舟もろとも湖中に沈んでしまった。これより真珠湖の人魚に攻め寄せる者はいなくなり、永遠の神仙郷として栄えることとなった。〔第81巻第8章「人魚の勝利」#〕