宝珠山
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エピソード
青雲山には太白星の十二個の玉のうち黄金の玉を国魂として祭っていた。玉を祭る宮殿(黄金の宮)が完成するまで、玉守彦は玉を保護することになったが(完成後は宮司となる)、邪神に奪われることを恐れて、同じ形の黄金の偽玉を秘かに造り、真の玉は黒く塗った。
妻の玉守姫は智慧浅く口軽で嫉妬深い性格のため、その秘密を他言されることを防ぐため、玉守彦は芝居を打つ。夜中に宝珠山に行き、川に笊を置き中にウサギを入れ、松の木の枝に八匹のシャケを吊しておいた。そして数日後、「黒玉(真の玉)を隠しに行く」と言って妻を宝珠山に連れて行き、川でウサギが獲れ、木にシャケが生るという不思議現象を見せた。
その後、黄金の宮が完成し玉(偽玉)を鎮祭するが、妻が悋気を起こして「夫は偽玉を宮に祭り、真の玉は着服してその力で青雲山を乗っ取る悪事をたくらんでいる」と八王神(神澄彦)に訴え出る。
しかし「川でウサギが、木にシャケが…」と言ったので、八王神は玉守姫が発狂していると判断し、玉守彦の疑いは晴れた。 その後、常世彦の部下が黄金の宮から玉(偽玉)を盗んで行ったが、玉守彦が宝珠山に隠していた真の玉をあらためて鎮祭した。