真素美の鏡
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真素美の鏡(ますみのかがみ)とは、七十五声の言霊を横5列(柱)、縦15行(棚)で配列した図表のこと。大石凝真素美によるものを「真素美の鏡」と呼び、中村孝道によるものは「真須鏡(ますかがみ)」と呼ぶ。
本項ではアオウエイの五大父音(国語学で言う母音)を区別するため丸囲みの㋐㋔㋒㋓㋑の文字で表記する。
目次
原典
中村は大石凝の言霊学の師匠であるため、真須鏡の方が時代的に古い。
真須鏡と真素美の鏡は基本的には同じだが、部位を呼ぶ名称が若干異なる。真須鏡は『言霊聞書』に掲載されているものを、真素美の鏡は『大日本言霊』に掲載されているものを基準にした場合、次の3点が異なる。
- ㋐㋔㋒㋓㋑それぞれの柱の「韻」が、真須鏡では、喉唇歯舌牙の韻とするのに対して、真素美の鏡系では喉唇口舌歯としており、㋒が歯から口に、㋑が牙から歯に変更されている。
- 3つの行で1つの棚になっているが、その棚の右側に記載されている「音」が韻と同様に、歯の音が口の音に、牙の音が歯の音に変更されている。
- 棚の左側に記載されている棚の名称が、真須鏡では上から「高天之棚」「天之棚」「中津棚」「地之棚」「根之棚」になっているが、真素美の鏡では「天之座」「火之座」「結之座」「水之座」「地之座」に変更されている。
真須鏡と真素美の鏡は次の文献に掲載されている。大石凝と五十嵐は中村の弟子、王仁三郎と水谷は大石凝の弟子である[1]。
- 中村孝道『言霊聞書』(出版年不明、天保弘化年間[2]と推定)
- 大石凝真素美『大日本言霊』p15(大正13年4月3日発行、『大石凝真素美全集 第一巻』収録)
- 大石凝真素美『真訓古事記 上の巻』p46-47(大正14年9月1日発行、『大石凝真素美全集 第三巻』収録) …「天之座」などの「座」が「機」に変更されている。また、㋐㋔㋒㋓㋑それぞれの柱が、真須鏡では「初柱」「内柱」「中柱」「外柱」「留柱」と呼んでいるが、本書掲載の真素美の鏡では「地柱」「水柱」「結柱」「火柱」「天柱」に変更されている。
- 五十嵐政雄『言霊真澄鏡 坤』p7-8(明治13年) …真須鏡と同じだが、「真澄鏡」と記載されている。
- 出口王仁三郎『大本教言霊学 火の巻』(神道文化研究所・刊『大本言霊学』収録、p235-238) …図表ではなく、ベタ書き。真素美の鏡と同じだが、『真訓古事記』掲載の真素美の鏡のように「座」が「機」に変更されている。
- 出口王仁三郎「言霊の大要」(『神霊界』大正7年2月号掲載、p33[3]) …真素美の鏡と同じだが、『真訓古事記』掲載の真素美の鏡のように「座」が「機」に変更されている。
- 水谷清「天津祝詞学」(『古事記大講 第十四巻』所収、p192) …真素美の鏡と同じ。水茎文字も記されている。