六角切り子
六角切り子(ろっかくきりこ)とは、大石凝真素美が著書『大日本言霊』[1]の中で、言霊の活用を説明するために用いている立体のこと。正方形6面、正三角形8面から成る14面体であり、球体を擬似的に多面体化したものである。正方形の8つの角を切り落とすと、この14面体になる。一般には「立方八面体」「ベクトル平衡体」という呼び方がある。
目次
概要
大石凝は六角切り子について次のように説明している。「此六角切り子の玉。至大天球也 地球也の御樋代也 円満完なる球に方面を知り易からしむる為に仮に廉目を立てたる者也 故に十干十二支東西南北等の類は全球の者と同様に心得べし」[2]。つまり六角切り子は宇宙や地球のミニチュアであり、説明の便宜上、平面でカットした多面体を使用しているようである。
次の図のように、六角切り子の14面のうち7面ずつが見える投影図を二枚使い、十二方角への活用を説明している。しかし投影図の形状が正確でなく、また二枚をつなげて書いているため、一見してよく分からない。正確に書くと二番目の図のようになる。
七十五声の言霊ごとにこの六角切り子の図を使い、十二支(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)が書いてある位置にそれぞれの方角への活用が記されている。
転載・流用
十二支以外の面
十二支が書いていない6面(正方形2面、正三角形4面)にも活用が記されているが、その6面が何を意味しているのかは『大日本言霊』では説明されていない。
王仁三郎は「言霊の大要」の中で、全14面を「上面」と「下面」に分類しており、その6面も3面ずつ上面・下面に分類されている。また「天祥地瑞」[3]ではその6面の活用を「総じて」という形で説明している。
【例】(イ声の言霊[4])
- 言霊の大要:「○一、大金剛力也、○二、強く張り籠る也、○三、天の内面也、△一、基也、台也、△二、勢ひ添ひ付く也、△三、同平等也」
- 天祥地瑞:「総じて大金剛力にして基となり台となり、強く張り籠り天の内面を司り、勢ひに添ひ付き、同じく平等に動く言霊也と知る可し」
語源
「切り子」とは「四角な物の、かどかどを切り落した形」〔広辞苑〕を指す言葉である。しかし「六角切り子」という名称は一般には使われていないようである。名称の由来については記されていないが、投影図が六角形であるため、六角切り子と名付けたのではないかと思われる。