「麻邇の宝珠」の版間の差分

 
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* この玉が「麻邇~」と呼ばれるようになるのは、第26巻(竜宮島から自転倒島に運ばれた)からであり、それ以前は「五つの玉」とか「五つの御玉」と呼ばれている。
* この玉が「麻邇~」と呼ばれるようになるのは、第26巻(竜宮島から自転倒島に運ばれた)からであり、それ以前は「五つの玉」とか「五つの御玉」と呼ばれている。
* 麻邇の宝珠は、[[新高山]]の「'''[[五個の神玉]]'''」と同一だと思われる。
* 麻邇の宝珠は、[[新高山]]の「'''[[五個の神玉]]'''」と同一だと思われる。
== 色と役割 ==
五個の玉はそれぞれ色と役割が異なる。{{rm|26|16|三五玉}}によると次のようになる。(最後の「列」は{{rm|75|8|結の言霊}}による)
* 青の玉/天/貴身(君)/ア列
* 赤の玉/火/大身(大臣)/イ列
* 紫の玉/結/隠身(神)/ウ列
* 白の玉/水/小身(小臣)/エ列
* 黄の玉/地/田身(民)/オ列


== 主なエピソード ==
== 主なエピソード ==
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=== 玉の紛失と玉探し ===
=== 玉の紛失と玉探し ===
* {{rm|27|5|玉調べ}}:[[九月二十三日]]<ref>{{rm|27|4|教主殿}}:[[杢助]]「左様ならば愈'''九月二十三日'''と決定致します」</ref>麻邇の宝珠を一般に拝観させることになり、その前に高姫が検分することになった。柳筥を開けてみると、紫の玉以外の四個は団子石とすり替えられていた。錦の宮の教主・[[言依別命]]の机の中に書き置きが発見され、そこには、麻邇宝珠の四個の玉と、[[三つの玉]]、合わせて七個は都合あってある地点に隠した、自分はいつ聖地に帰るか分からない、と書いてあった。(四個の玉は[[沓島]]に<ref>{{rm|33|17|感謝の涙}}:秋山彦のセリフ「沓島に渡り、麻邇宝珠の四個の玉を」</ref>、三つの玉は神島と高熊山に<ref>{{rm|22|18|布引の滝}}~{{rms|22|19|山と海}}</ref>隠した)
* {{rm|27|5|玉調べ}}:[[九月二十三日]]<ref>{{rm|27|4|教主殿}}:[[杢助]]「左様ならば愈'''九月二十三日'''と決定致します」</ref>麻邇の宝珠を一般に拝観させることになり、その前に高姫が検分することになった。柳筥を開けてみると、紫の玉以外の四個は団子石とすり替えられていた。錦の宮の教主・[[言依別命]]の机の中に書き置きが発見され、そこには、麻邇宝珠の四個の玉と、[[三つの玉]]、合わせて七個は都合あってある地点に隠した、自分はいつ聖地に帰るか分からない、と書いてあった。(四個の玉は[[沓島]]に<ref>{{rm|29|11|日出姫}}:女神([[日の出姫]])〈沓島、冠島に隠されてある、青、赤、白、黄の麻邇の珠を取出し〉</ref> <ref>{{rm|33|17|感謝の涙}}:秋山彦のセリフ「沓島に渡り、麻邇宝珠の四個の玉を」</ref>、三つの玉は神島と高熊山に<ref>{{rm|22|18|布引の滝}}~{{rms|22|19|山と海}}</ref>隠した)
* {{rm|27|6|玉乱}}:錦の宮の[[玉照姫]]は、紛失した麻邇宝珠の四個の玉を探して持ち帰ったら、[[高姫]]を教主に、[[高山彦]]と[[黒姫]]を左守、右守に任ずると告げる。高山彦(黒姫の夫)は高姫や黒姫に愛想を尽かし、黒姫と別れて[[竜宮島]]に帰ると言って消え去った。
* {{rm|27|6|玉乱}}:錦の宮の[[玉照姫]]は、紛失した麻邇宝珠の四個の玉を探して持ち帰ったら、[[高姫]]を教主に、[[高山彦]]と[[黒姫]]を左守、右守に任ずると告げる。高山彦(黒姫の夫)は高姫や黒姫に愛想を尽かし、黒姫と別れて[[竜宮島]]に帰ると言って消え去った。
* {{rm|27|7|猫の恋}}:[[高姫]]は[[春彦]]、[[常彦]]を連れ、[[言依別命]]の後を追って[[高砂島]]に玉探しに向かう。[[黒姫]]は三人の従者([[孫公]]、[[房公]]、[[芳公]])を連れ玉探し<ref>探す玉は、四つの麻邇宝珠と、黄金の玉([[三つの玉]]のうち自分が保管していた玉)である。しかし実際には玉よりも、消えた夫の行方を探す方が主な目的であった。{{rm|34|1|筑紫上陸}}:〈黒姫は三人の従者と共に'''麻邇の玉'''の所在や、'''黄金の玉'''の所在を捜索すると云ふは、只単に表面の理由であつて、其実玉に対しては、既に執着心を殆ど脱却してゐたのである。只高山彦に衆人環視の前にて夫婦の縁を切られ、其恥を雪がむとする一念と、高山彦に対する未練とが一つになりて〉</ref>と消えた夫探しを兼ね[[筑紫島]]に向かう。
* {{rm|27|7|猫の恋}}:[[高姫]]は[[春彦]]、[[常彦]]を連れ、[[言依別命]]の後を追って[[高砂島]]に玉探しに向かう。[[黒姫]]は三人の従者([[孫公]]、[[房公]]、[[芳公]])を連れ玉探し<ref>探す玉は、四つの麻邇宝珠と、黄金の玉([[三つの玉]]のうち自分が保管していた玉)である。しかし実際には玉よりも、消えた夫の行方を探す方が主な目的であった。{{rm|34|1|筑紫上陸}}:〈黒姫は三人の従者と共に'''麻邇の玉'''の所在や、'''黄金の玉'''の所在を捜索すると云ふは、只単に表面の理由であつて、其実玉に対しては、既に執着心を殆ど脱却してゐたのである。只高山彦に衆人環視の前にて夫婦の縁を切られ、其恥を雪がむとする一念と、高山彦に対する未練とが一つになりて〉</ref>と消えた夫探しを兼ね[[筑紫島]]に向かう。