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2024年11月29日 (金) 17:49時点における最新版
ウラル山(うらるざん)は、霊界物語に登場する山。ウラル教の三つの拠点の一つ(他はコーカス山とアーメニヤ)。
概要
- 初出:第1巻第47章「エデン城塞陥落」#
- ウラル山は邪神や邪霊が居る山として描かれている。
- ウラル山の近くに大江山がある。[1]
- ウラル山の麓にアーメニヤがある。[2]
- 第1~5巻で舞台として登場するが、それ以降は名前だけの登場となる。
主なエピソード
- ウラル山には邪神の鬼熊が割拠していた。鬼熊は神軍との戦いで負傷し、落命し、その怨霊が凝ってウラル山の黒竜となった。〔第1巻第47章「エデン城塞陥落」#~第48章「鬼熊の終焉」#〕
- 竜宮城の戦いに敗れた常世姫は天下を席巻しようとして、ロッキー山、ウラル山、バイカル湖、死海に向かって伝令を下す。するとウラル山はにわかに鳴動を始め、八頭八尾の悪竜と化し、数多の悪竜蛇を吐き出した。天足彦・胞場姫の霊より出生した金毛九尾白面の悪狐は天竺に下り、次にウラル山の山麓の原野に現れた。〔第2巻第47章「天使の降臨」#〕
- 盤古大神はウラル山の中腹の平坦な地を選び宮殿を造営した。〔第5巻第15章「石搗歌」#〕
- ウラル彦は言触神(日の出神)を捕まえてウラル山の牢獄に投獄してしまう。盤古神王[3]は言触神の宣伝歌を聞くと思わず平伏し、言触神を牢獄の外に出す。言触神の命で、盤古神王はウラル山の山上に立派な宮殿を造り、日の神・月の神・大地の神を鎮祭した。天の浮橋の尖端から金色の星が幾十も放出してウラル山の宮殿に落下。盤古神王は大神の恵みと深く感謝し、その玉を拾い集めて神殿に奉斎。日の出神を宮司として奉仕させた。このときより盤古神王とウラル彦夫妻の間に深い溝が出来てしまった。〔第5巻第19章「旭日出暗」#〕
- ウラル彦は盤古神王をウラル山から追放するため攻め寄せた。日の出神は盤古神王とその妻子(塩長姫、塩治姫)を連れてウラル山を脱出し、聖地エルサレムに逃れた。〔第5巻第46章「油断大敵」#〕[4]
- 黄泉比良坂の戦いの後、ウラル彦・ウラル姫を始め曲津たちはウラル山・コーカス山・アーメニヤの三ヶ所に本城を構えた。〔第11巻第23章「保食神」#〕
- 大蛇や醜狐の邪霊はウラル彦・ウラル姫に憑依しウラル教を開設したが、三五教の宣伝使の活躍によって、ウラル山・コーカス山・アーメニヤを捨てて常世の国に渡り、今度は大国彦・大国別に憑依してバラモン教を開設した。〔第41巻第7章「忍術使」#〕
現実のウラル山
トルコの「アララト山(あららとさん)」に相応すると思われる。
アララト山
アララト山はノアの方舟が漂着したと言われる山で、トルコの東端、アルメニアとの国境付近にある、標高5,137mの火山。アルメニア民族のシンボルとなる山で、アルメニアの国章の中心にはアララト山が描かれている。
アララト(Ararat)の語源は「ウラルトゥ」(Urartu)のようである。紀元前9~6世紀に、アルメニア高原(現在のトルコ東部~アルメニアの辺り)に「ウラルトゥ王国」があり、旧約聖書では「アララト王国」と呼ばれていた。「ウラルトゥ」はアッシリア語で、「アララト」はヘブライ語である。山名はこの王国名に由来すると思われる。
霊界物語でウラル教の拠点はアーメニヤ(アルメニアに相応)、ウラル山、コーカス山(コーカサス山脈に相応)の3ヶ所あるが、地理的にこの3ヶ所は同じエリアにあるし、それが象徴する文化的なもの──アルメニアは西暦301年に世界で初めてキリスト教を国教として採用した国、コーカサス山脈はコーカソイド(俗にヨーロッパ人のこと)の語源、アララト山は聖書でノアの方舟が漂着し現在の人類の発祥地になっている──もヨーロッパ・キリスト教文明という点で共通している。
ウラル山脈
「ウラル」そのものは、ロシアを南北に縦断する巨大な「ウラル山脈」がある。
しかし霊界物語ではウラル山の麓にアーメニヤがあるとされているので[5]、コーカサス山脈の北側にあるウラル山脈では地理的に合わない(アララト山、アルメニアはコーカサス山脈の南側)。
ただし当時の大本文献で使われている「ウラルの嵐」の「ウラル」はウラル山脈のことであり、ロシア(ソ連)あるいはヨーロッパの代名詞として使われている。(ウラル山脈はヨーロッパとアジアの境界だとされている)(戦前の日本では「ウラル」はロシア(ソ連)の代名詞として使われることがあった[6])
【用例】
- 『統管随筆』第二篇#:「露満国境には妖雲天地に塞がり、今にもウラルの嵐は神洲日本の空に何時襲来するか判らない形勢である」
- 『惟神の道』所収「神聖運動について#」の一節「今やウラルの嵐はいつ日本の本土に向つて吹き付けて来るか知れないまでの危局に直面し、また一方太平洋の荒浪はこの大和島根を呑まむとして居る非常時なのである」