「黄泉比良坂の戦い」の版間の差分
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* {{rm|10|11|狐火}}:「春」<ref>{{rm|10|11|狐火}}:「遉に長き'''春'''の日も、カリガネ湾の彼方に舂き始めた」</ref> | * {{rm|10|11|狐火}}:「春」<ref>{{rm|10|11|狐火}}:「遉に長き'''春'''の日も、カリガネ湾の彼方に舂き始めた」</ref> | ||
* {{rm|10|12|山上瞰下}}:「春」<ref>{{rm|10|12|山上瞰下}}:「固虎の案内にてシラ山山脈を'''春'''風に吹かれながら」、固虎のセリフ「それに就ても合点のゆかぬは、常世城の'''昨冬'''の不思議、今此処に御座る三人の宣伝使様と同じ名のついた宣伝使が、間の国から召捕られて常世城に入り、常世神王の大変なお気に入りであつた処、何時の間にやら煙の様になつて消えて了つたのです。そのとき私は門番をやつて居ましたが、照彦と言ふ三五教の宣伝使も召捕られて、これまた不思議や、煙となつて消えて了ひ」</ref> | * {{rm|10|12|山上瞰下}}:「春」<ref>{{rm|10|12|山上瞰下}}:「固虎の案内にてシラ山山脈を'''春'''風に吹かれながら」、固虎のセリフ「それに就ても合点のゆかぬは、常世城の'''昨冬'''の不思議、今此処に御座る三人の宣伝使様と同じ名のついた宣伝使が、間の国から召捕られて常世城に入り、常世神王の大変なお気に入りであつた処、何時の間にやら煙の様になつて消えて了つたのです。そのとき私は門番をやつて居ましたが、照彦と言ふ三五教の宣伝使も召捕られて、これまた不思議や、煙となつて消えて了ひ」</ref> | ||
* {{rm|10|14|松風の音||a063}}:「春風に」 | |||
* {{rm|10|18|常世馬場}}:「春」<ref>{{rm|10|18|常世馬場}}:「'''春'''日に照れる常世城」、[[高彦]]のセリフ「オイ倉彦、去年の冬だつたかねえ、松、竹、梅の天女のやうな宣伝使がやつて来て(略)月、雪、花と云ふ途方途轍もない別嬪がやつて来て、(略)神王さまを始め、吾々迄が、この馬場だつたね、夜露に曝されて馬鹿を見たことがある。狐の声が、彼方にも此方にもコンコン、クワイクワイ聞えると思へば、駕籠に乗つて来た照彦も、六人の娘も煙になつて消えてしまふなり、怪体な事があつたものだ」</ref> | * {{rm|10|18|常世馬場}}:「春」<ref>{{rm|10|18|常世馬場}}:「'''春'''日に照れる常世城」、[[高彦]]のセリフ「オイ倉彦、去年の冬だつたかねえ、松、竹、梅の天女のやうな宣伝使がやつて来て(略)月、雪、花と云ふ途方途轍もない別嬪がやつて来て、(略)神王さまを始め、吾々迄が、この馬場だつたね、夜露に曝されて馬鹿を見たことがある。狐の声が、彼方にも此方にもコンコン、クワイクワイ聞えると思へば、駕籠に乗つて来た照彦も、六人の娘も煙になつて消えてしまふなり、怪体な事があつたものだ」</ref> | ||
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* [[美山別]]: | * [[美山別]]: | ||
* [[国玉姫]]・[[杵築姫]]・[[田糸姫]]:偽の「桃の実」になる。 | * [[国玉姫]]・[[杵築姫]]・[[田糸姫]]:偽の「桃の実」になる。 | ||
* [[ | * [[八種の雷神]](大雷・火雷・黒雷・拆雷・若雷・土雷・鳴雷・伏雷):部将。 | ||
== ストーリーの構成 == | == ストーリーの構成 == | ||
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その理由については記されていない。 | その理由については記されていない。 | ||
推測だが、黄泉島や天教山に進軍するため、高級神であるイザナミの知名度や信用を利用して、魔軍の勢力を拡大しようとしたのではないか? ロッキー山にイザナミが来たことで常世神王の勢力が盛んになったこと<ref>{{rm|8|18|巴留の関守}}:高彦([[荒熊]])のセリフ「この巴留の国には常世神王の勢力侮り難く今また伊弉冊命様が何処からかお出になつて、ロッキー山にお鎮まりなされ、常世神王の勢力ますます旺盛となり」:イザナミがロッキー山に来たことで常世神王の勢力が盛んになったことが語られている。</ref>や、イザナミ・日の出神がロッキー山でウラル教を開いたということ<ref>{{rm|10|4|鬼鼻団子}}:[[遠山別]]のセリフ「伊弉冊大神、日の出神は、ロッキー山に宮柱太敷き立てウラル教を開き給ふぞ」</ref> | 推測だが、黄泉島や天教山に進軍するため、高級神であるイザナミの知名度や信用を利用して、魔軍の勢力を拡大しようとしたのではないか? ロッキー山にイザナミが来たことで常世神王の勢力が盛んになったこと<ref>{{rm|8|18|巴留の関守}}:高彦([[荒熊]])のセリフ「この巴留の国には常世神王の勢力侮り難く今また伊弉冊命様が何処からかお出になつて、ロッキー山にお鎮まりなされ、常世神王の勢力ますます旺盛となり」:イザナミがロッキー山に来たことで常世神王の勢力が盛んになったことが語られている。</ref>や、イザナミ・日の出神がロッキー山でウラル教を開いたということ<ref>{{rm|10|4|鬼鼻団子}}:[[遠山別]]のセリフ「伊弉冊大神、日の出神は、ロッキー山に宮柱太敷き立てウラル教を開き給ふぞ」</ref>、自分はイザナミ・日の出神がロッキー山に現れたということを聞いて常世の国に来た、自分も三五教からウラル教に改宗するということ<ref>{{rm|10|14|松風の音}}:[[松代姫]](白狐が化けた偽者)のセリフ「畏れ多くも三五教の守護神、神伊弉冊命様、日の出神様、ロッキー山に現れますと承はり、お跡慕ひて参りました。郷に入つては郷に従へとかや、妾はこれより三五教を棄て、常世神王の奉じ給ふウラル教に帰依いたします」</ref>が、登場人物のセリフ中で語られている。 | ||
'''【桃の実の偽者】''' | '''【桃の実の偽者】''' | ||
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偽イザナミ([[大国姫]])がいる[[ロッキー山城]]に、[[大雷]]・[[火雷]]の二柱が帰城し、黄泉島での魔軍の全敗を報告した。続いて偽桃の実である[[国玉姫]]・[[杵築姫]]・[[田糸姫]]の3人も帰城した。実は大雷の正体は[[鬼武彦]]で、火雷の正体は[[火産霊神]]で、3人の偽桃の実は白狐が化けた偽者だった(本物の偽桃の実は黄泉比良坂で負傷している<ref>{{rm|10|22|混々怪々}}:「本当の国玉、杵築、田糸の三人は、比良坂に於て、日の出神の神軍の言霊に悩まされ、肝腎の国玉姫はキツキ目に遇はされて頭を割られ、腕をくじかれ、イタイ、イタイと半死半生、見るも哀れな次第であるぞよ」</ref>)。5人は牛のように大きな白狐となり、大国姫らに飛びつこうとした。〔{{rm|10|22|混々怪々}}〕 | 偽イザナミ([[大国姫]])がいる[[ロッキー山城]]に、[[大雷]]・[[火雷]]の二柱が帰城し、黄泉島での魔軍の全敗を報告した。続いて偽桃の実である[[国玉姫]]・[[杵築姫]]・[[田糸姫]]の3人も帰城した。実は大雷の正体は[[鬼武彦]]で、火雷の正体は[[火産霊神]]で、3人の偽桃の実は白狐が化けた偽者だった(本物の偽桃の実は黄泉比良坂で負傷している<ref>{{rm|10|22|混々怪々}}:「本当の国玉、杵築、田糸の三人は、比良坂に於て、日の出神の神軍の言霊に悩まされ、肝腎の国玉姫はキツキ目に遇はされて頭を割られ、腕をくじかれ、イタイ、イタイと半死半生、見るも哀れな次第であるぞよ」</ref>)。5人は牛のように大きな白狐となり、大国姫らに飛びつこうとした。〔{{rm|10|22|混々怪々}}〕 | ||
[[ロッキー山城]]に、[[ロッキー城]] | [[ロッキー山城]]に、[[ロッキー城]]から偽日の出神(大国彦)がやって来て、大国姫に「イザナミと称して黄泉島に出陣し、味方の士気を鼓舞して進軍を追い払え」と命じる。大国姫は直ちに黄泉島に向かった。そこへロッキー城から淤縢山津見・固山彦がやって来て「ロッキー城は常世城の広国別の軍に占領されてしまった」と報告する。大国彦は急いでロッキー城に戻ると、そこには敵も味方も一人もいなかった。淤縢山津見と固山彦はここで「自分らは三五教の宣伝使で、汝らの悪逆無道を懲らすために潜り込んでいた」と告白する。一人になった大国彦は逆上して太刀で二人に襲いかかる。二人は反撃せずに逃げ出した。淤縢山津見は「彼も吾も神の子だ。神の御子同士で傷つけ合うのは親神に対して申し訳ない。あらためて時をうかがい悔い改めさせようと思う」と固山彦に告げる。追いかけてきた大国彦はその仁慈に富んだ言葉を聞いて悔い改めた。3人は常世城に向かう。意外なことに常世城では3人を[[ウロー|ウローウロー]]と叫んで歓迎した。これよりロッキー城も常世城も[[十曜の神旗]]が翻ることとなった。〔{{rm|10|23|神の慈愛}}〕 | ||
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