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'''モールバンド'''と'''エルバンド'''は、[[霊界物語]]に登場する怪獣。第29~33巻に登場する。[[アマゾン河]]やその岸辺に棲んでいる<ref>{{rm|32|2|猛獣会議}}:「されど兎は最早此安全地帯に集まりし事とて、巨大なる肉体を有するモールバンドは、数多の密生したる樹木に遮られて、ここに侵入するを得なくなつて了つた。如何にエルバンドと雖も、アマゾン河の岸より首を伸ばし、ここ迄届かす事は到底出来ない」、「然るに此頃モールバンド、エルバンドの一族、アマゾン河より這ひ上り来り」</ref> <ref>{{rm|32|1|万物同言}}:「鷹依姫一行は、かかる怪物の棲息するアマゾン河の河口に辿り着き」</ref>。 | '''モールバンド'''と'''エルバンド'''は、[[霊界物語]]に登場する怪獣。第29~33巻に登場する。[[アマゾン河]]やその岸辺に棲んでいる<ref>{{rm|32|2|猛獣会議}}:「されど兎は最早此安全地帯に集まりし事とて、巨大なる肉体を有するモールバンドは、数多の密生したる樹木に遮られて、ここに侵入するを得なくなつて了つた。如何にエルバンドと雖も、アマゾン河の岸より首を伸ばし、ここ迄届かす事は到底出来ない」、「然るに此頃モールバンド、エルバンドの一族、アマゾン河より這ひ上り来り」</ref> <ref>{{rm|32|1|万物同言}}:「鷹依姫一行は、かかる怪物の棲息するアマゾン河の河口に辿り着き」</ref>。 | ||
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[[ファイル:The Lost World (1925) - 8.jpg|thumb|200px|『The Lost World』のワンシーン]] | [[ファイル:The Lost World (1925) - 8.jpg|thumb|200px|『The Lost World』のワンシーン]] | ||
[[ファイル:Lost World 1925 Still 01.jpg|thumb|200px|『The Lost World』のワンシーン]] | [[ファイル:Lost World 1925 Still 01.jpg|thumb|200px|『The Lost World』のワンシーン]] | ||
[[ファイル:The Lost World (1925) 2.jpg|thumb|200px|『The Lost World』のワンシーン]] | |||
映画『ロストワールド』に[[霊界物語]]のアマゾンの場面(モールバンド、エルバンド)そのままのシーンが現れたので驚いたという話が機関誌『[[真如の光]]』大正15年(1926年)1月25日号(20~22頁、40~41頁)に掲載されている。 | 映画『ロストワールド』に[[霊界物語]]のアマゾンの場面(モールバンド、エルバンド)そのままのシーンが現れたので驚いたという話が機関誌『[[真如の光]]』大正15年(1926年)1月25日号(20~22頁、40~41頁)に掲載されている。 | ||
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コナン・ドイルが著した恐竜SF小説『The Lost World』(1912年)を映画化した『The Lost World』(1925年、アメリカ、無声映画)が大正14年(1925年)8月、日本でも公開された。その邦題が『ロストワールド』である。 | コナン・ドイルが著した恐竜SF小説『The Lost World』(1912年)を映画化した『The Lost World』(1925年、アメリカ、無声映画)が大正14年(1925年)8月、日本でも公開された。その邦題が『ロストワールド』である。 | ||
映画を見た信者の[[井内鉄外]]が大正15年1月13日、京都の京極松竹座にある配給会社(ファーストナショナル映画会社)を訪問して営業部員の内海に〈是は大本の聖師様が五年前に御口述になつて居るがな〉と話したところ、内海は驚いてその霊界物語を拝読したい、また映画に登場する〈猛獣巨獣〉の写真を王仁三郎に献納したいと申し出た。王仁三郎も松竹座を訪れ内海と会見し〈此の巨獣の状態は伊豆の温泉に滞在中、神様より見せて貰ふた事が、霊界物語、海洋万里、午の巻、未の巻(注・第31巻と第32巻)になったのである〉と話した。王仁三郎も1月13日に映画を観覧している<ref>40頁〈聖師様には去る十三日上洛の節観覧せられし〉</ref> | 映画を見た信者の[[井内鉄外]]が大正15年1月13日、京都の京極松竹座にある配給会社(ファーストナショナル映画会社)を訪問して営業部員の内海に〈是は大本の聖師様が五年前に御口述になつて居るがな〉と話したところ、内海は驚いてその霊界物語を拝読したい、また映画に登場する〈猛獣巨獣〉の写真を王仁三郎に献納したいと申し出た。王仁三郎も松竹座を訪れ内海と会見し〈此の巨獣の状態は伊豆の温泉に滞在中、神様より見せて貰ふた事が、霊界物語、海洋万里、午の巻、未の巻(注・第31巻と第32巻)になったのである〉と話した。王仁三郎も1月13日に映画を観覧している<ref>40頁〈聖師様には去る十三日上洛の節観覧せられし〉</ref>。その後1月20日に内海は来亀し、その〈怪獣の写真〉を王仁三郎に献上した<ref>献上された怪獣の写真がその後どうなったのか、機関誌に掲載されたのかは、不明。</ref>。 | ||
この猛獣とか巨獣、怪獣などと呼ばれているものは恐竜である。それが霊界物語のモールバンド、エルバンドの描写によく似ていたので驚愕したようである。 | この猛獣とか巨獣、怪獣などと呼ばれているものは恐竜である。それが霊界物語のモールバンド、エルバンドの描写によく似ていたので驚愕したようである。 | ||
恐竜の存在が人類に知られるようになったのは19世紀後半からである。恐竜の化石が最初に発見されたのは19世紀初頭だが、1842年にイギリスの生物学者リチャード・オーウェンがそれを「Dinosaur」と名付けて発表した。日本でそれを「恐竜」と訳して紹介したのは古生物学者の横山又次郎が明治28年(1895年)に著した『化石学教科書』<ref>{{pid|831231|化石学教科書 中巻}}</ref>が初めてだと言われている<ref>「[https://f-favorite.net/blogs/dinosaur_treasure_house/tamura-n_006 新恐竜秘宝館]」</ref>。 | |||
大正期の日本社会にはまだ恐竜の存在があまり知られていなかったのだと思われる。映画『ロストワールド』によって恐竜が視覚的に捉えられたことで、恐竜というものが世間一般にも広く知られるようになったのではないかと思われる。 | |||
内海が献上した写真はどういうものかは不明だが、『ロストワールド』には写真のような恐竜が登場していた。モールバンド、エルバンドのような巨大な生物が太古に実在していた証拠だということで、当時の大本信者は衝撃的に感じたようである。 | 内海が献上した写真はどういうものかは不明だが、『ロストワールド』には写真のような恐竜が登場していた。モールバンド、エルバンドのような巨大な生物が太古に実在していた証拠だということで、当時の大本信者は衝撃的に感じたようである。 | ||
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* [https://archive.org/details/lost_world The Lost World] - Internet Archive | * [https://archive.org/details/lost_world The Lost World] - Internet Archive | ||
* {{wp|失われた世界}}(コナン・ドイルによる原作の小説) | * {{wp|失われた世界}}(コナン・ドイルによる原作の小説) | ||
* {{wp| | * {{wp|ロスト・ワールド_(1925年の映画)}} | ||
* [https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:The_Lost_World_(1925_film)?uselang=ja Category:The Lost World (1925 film)] - Wikimedia Commons | * [https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:The_Lost_World_(1925_film)?uselang=ja Category:The Lost World (1925 film)] - Wikimedia Commons | ||
* {{wp|恐竜}} | |||
== ギャラリー == | |||
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ファイル:モールバンドの想像図(Fireflyで作成).jpg|モールバンドの想像図(Fireflyで作成) | |||
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== 外部リンク == | |||
* [https://note.com/onidoai/n/n84bca9dbd8e5 アマゾンの怪獣モールバンドとエルバンド] - Onido AI研究室 | |||
== 脚注 == | == 脚注 == | ||
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[[Category:霊界物語の人物 (組)]] | [[Category:霊界物語の人物 (組)]] | ||
[[Category:霊界物語の怪物]] | |||