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2020年8月21日 (金) 19:50時点における最新版
南天王(なんてんおう)は、
(1) 霊界物語に登場する人物。顕恩郷の「統一者」[1]「大王神」[2]。
(2) 霊界物語第5巻第6章の章題。
本項では(1)の人物としての南天王について解説する。
概要
- 初出:第5巻第5章「盲亀の浮木」#
- 南天王は一代ではなく複数代おり、初代は日の出神が、二代目は鷹住別が、三代目は大江神(鬼武彦が改名)が務めた。それ以降も誰かは不明だが代々続いていることが記されている。[3](霊界物語に「初代」とか「二代目」「三代目」と記されているわけではない。本項で便宜上、そう呼んでいるだけである)
主なエピソード
初代(日の出神)
南天王(初代の南天王。大道別の分霊である日の出神)は顕恩郷の神々から国祖の如く尊敬されていた。
顕恩郷に常治彦(常世彦の息子)、玉春姫(常世彦の娘)、塩治姫(塩長彦の娘)の三人が大きな亀(大道別の分霊である琴平別神)の背に乗って運ばれて来た。塩治姫と見えた者は、実は春日姫であり、玉春姫と見えた者は、実は八島姫であった。
南天王と春日姫、八島姫の三人は鼎談した。南天王は「清彦」と呼ぶと、鷹住別(春日姫の夫)が現れた。春日姫は鷹住別との再会に涙する。また南天王は「芳彦」と呼ぶと、玉純彦(南高山の従臣)が現れた。南天王は八島姫と玉純彦に、夫婦になって神業に参加せよと告げる。八島姫の父・大島別(南高山の守神)も現れ、玉純彦と八島姫は結婚式を挙げた。
南天王は大王の位を「わが子」[4]鷹住別に譲り、顕恩郷を去って神業に出て行った。
二代目(鷹住別)
桃園王が橙園郷の住民を率いて、顕恩郷を占領するために襲来した。南天王(二代目の鷹住別)は斬られて背部に重傷を負い、山奥に逃げた。鬼武彦の石像から光が発し、橙園郷の住民は退却した。顕恩郷の住民は南天王を、天津神の降臨と信じていたが、南天王が敵と戦わず逃げたので、不信の念を抱いた。南天王は慢心し天地の神恩を忘却したため、神力を発揮できなかったのである。南天王は部下の信任を失い、やむを得ず妻の春日姫と共に顕恩郷を夜逃げし、モスコーに帰った。〔第5巻第20章「猿蟹合戦」#〕
三代目(大江神)
南天王(二代目)が失踪した後、顕恩郷の住民は南天王の後任として蟹若をおし立てた[5]。しかし住民は不安の念にかられ、真正の天津神が降臨するよう、鬼武彦の石像に向って祈願した。すると大江神(鬼武彦が改名した)が現れた。大江神は大神の神意を伝え、この顕恩郷を独占することなく、橙園郷の住民の移住を許せよ、と説示した。〔第5巻第21章「小天国」#〕
大江神は顕恩郷の神王として住民から畏敬尊信された。大江神は数多の方舟を造ることを住民に教えた。〔第5巻第22章「神示の方舟」#〕
脚注
- ↑ 第5巻第5章「盲亀の浮木」#:「ここの統一者は南天王と称へ」
- ↑ 第5巻第6章「南天王」#:「顕恩郷の大王神なる南天王は」
- ↑ 第15巻第1章「破羅門」#:道彦のセリフ「この顕恩郷は昔、日の出神が南天王と称して支配され、その後鬼武彦その他の神々南天王となつて永久に大神の命を受け守護せられたる聖地なり」
- ↑ 第5巻第7章「三拍子」#:「大王の位をわが子鷹住別に譲ることを宣示した」:鷹住別は日の出神の子供ではないが、顕恩郷の神々に対しては、仮に自分の子供だと説明したということか?
- ↑ 蟹若が南天王になった、ということではなく、南天王の後任として顕恩郷の主宰者になった、ということのようである。第5巻第21章「小天国」#:「ここに顕恩郷は再び主宰者を失ひ」「南天王の後任として蟹若といふこの郷のもつとも強き神人をおし立て、南天王の後を継がしめた」