金色の八咫烏
金色の八咫烏(きんいろのやあたがらす)は、霊界物語に登場する霊鳥。主に第25~26巻に登場する。麻邇宝珠の玉の御用を終えた10人の神柱と五つの麻邇宝珠を背中に乗せて空を飛び、竜宮島から由良の港まで送り届けた。
概要
- 「金色の八咫烏」と表現されているのは1ヶ所だけである[1]。「金色の霊鳥」「神の使の八咫烏」[2]、「金の翼を拡げたる八咫烏」[3]等とも表現されている。
- 「八咫烏」の読み方は「やあたがらす」が多いが、「やたがらす」も少しある。
- この金色の八咫烏は、玉依姫命の使いの霊鳥として登場する。
- 金色ではない、ふつうの八咫烏は、霊界物語に登場しない。名詞として「八咫烏」が歌などに何度か出るだけである。
- 八咫烏は俗に三本足と言われているが、霊界物語において八咫烏は三本足という記述はない。
主なエピソード
金色の八咫烏は竜宮島が舞台となる第25~26巻に主に登場する。その場面は大別して次の3ヶ所ある。
(1) 第25巻第15章「改心の実」
竜宮島の諏訪の湖で七日間の身禊を終えた玉治別、初稚姫、玉能姫、久助、お民の5人を、玉依姫命の使いである金色の八咫烏が迎えに来た。5人を乗せて八咫烏は湖を北へ向かって飛んで行く。
翼を一文字に拡げた金色の霊鳥は、神の使の八咫烏である。玉治別一行を乗せた五羽の八咫烏は、日光に照り輝きて中空にキラリキラリと光を投げながら、地上までも金光を反射させ、諏訪の湖辺に飛び来り、紺碧の波の上を辷つて際限もなき湖水を、北へ北へと進み行く。
(2) 第25巻第16章「真如の玉」
玉依姫命の宮殿で、麻邇宝珠の五つの玉を受け取った10人(玉治別一行5人と、梅子姫、蜈蚣姫、黄竜姫、友彦、テールス姫の、計10人)を、金色の八咫烏が乗せて、自転倒島の由良へ飛んで行った。
此時金の翼を拡げたる八咫烏十数羽飛び来り、梅子姫、黄竜姫、蜈蚣姫、友彦、テールス姫、玉治別、初稚姫、玉能姫、久助、お民の十柱を乗せ、天空高く輝き乍ら万里の波濤を越えて、遂に由良の聖地に無事帰還せり。
(3) 第26巻第1章「麻邇の玉」
前述の10人が金色の八咫烏に乗って由良に降りて来る。
(略)感謝の折柄中空を 照らして下る八咫烏 黄金の翼を打拡げ 十曜の紋の十人連 背に乗せつつ久方の 天津御空を勇ましく 雲霧分けて下り来る 自転倒島の中心地 綾の高天の空近く 帰り来るぞ目出度けれ(略)
八咫烏は梅子姫、初稚姫、玉能姫、玉治別、黄竜姫、蜈蚣姫、友彦、テールス姫、久助、お民といふ順に、秋山彦の館に羽撃き勇ましく、広き庭前に降つて来た。
これ以降は、回顧歌の中で何度か、金色の八咫烏のエピソードが歌われている。
第25~26巻以前には、次の箇所に登場するだけである。
- 第1巻第42章「八尋殿の酒宴(二)」#で、悪神の竹熊が主催した八尋殿の酒宴に招かれた10柱の神司のうち、玉を見せることを拒否した5柱を、無数の「金色の八咫の烏(こんじきのやたのからす)」が現れて掴み、竜宮城へ連れ帰った。[4]
「八咫烏」かどうかは定かではないが、「金色の烏」が次の場面に登場する。
- 地の高天原や竜宮城の上空に「金色の烏(こんじきのからす)」がたくさん飛んでいる。〔第1巻第23章「黄金の大橋」#〕[5] [6]
- 第67巻第1章「梅の花香」#:〈ヨリコ姫を始め、其他の兇党が心の天地忽然として蓮の花の開くが如く、薫り初めたる一刹那、五色の雲を押し分けて、忽ち昇らせ給ふ黄金鴉《こがねからす》、旗雲の中にまん丸き日の丸を印し、愈日の出の神代の祥兆を天地万有に示し給ふ。〉:この「黄金鴉《こがねからす》」は形容の表現であって、実際にカラスが飛んでいるわけではない。
関連項目
外部リンク
- 八咫烏 - ウィキペディア