差分

Jump to navigation Jump to search

松姫

18,109 バイト追加, 2022年10月6日 (木) 20:06
ページの作成:「'''松姫'''(まつひめ)は、霊界物語に登場する人物。高城山ウラナイ教取次をしていたが、改心して三五教…」
'''松姫'''(まつひめ)は、[[霊界物語]]に登場する人物。[[高城山]]の[[ウラナイ教]]の[[取次]]をしていたが、改心して[[三五教]]の[[宣伝使]]となり、[[小北山]]の[[ウラナイ教]]を[[三五教]]に立て直して教主となる。

== 概要 ==
* 初出:{{rm|18|8|蛙の口}}(名前の初出)、{{rm|19|11|変態動物}}(本人が登場するのはこの章が最初)
* 主に第19巻(舞台は[[高城山]])と、第45~46巻及び第51~52巻(舞台は[[小北山]])に登場する。
* 年齢は30代。<ref>{{rm|19|11|変態動物}}:「三十路を越えた一人の女と」</ref>
* [[高城山]]で松姫は、ウラナイ教の「取次」とか「教主」<ref>{{rm|45|5|肱鉄}}:「松姫はもとウラナイ教の'''取次'''で高城山に'''教主'''をやつて居た剛の女である」</ref>と呼ばれている。高城山の麓にある松姫館はウラナイ教の「支所(でやしろ)」<ref>{{rm|18|8|蛙の口}}:「お民は矢張りウラナイ教の'''支所(でやしろ)'''で高城山と云う処、そこには意地くねの………悪くない松姫が控へて居る」</ref>とか「分社(でやしろ)」<ref>{{rm|19|15|山神の滝}}:松姫のセリフ「ウラナイ教の'''分社(でやしろ)'''高城山の麓の館に於て」</ref>と呼ばれており、要するに松姫は支部長とか教会長のような立場だった。
* [[小北山]]では、松姫は「[[上義姫]]」の身魂とされる。<ref>{{rm|45|7|相生の松}}:「世人の為に神徳を 輝かさむと松姫は 蠑螈別の言ふままに 上義の姫と称へられ」</ref> <ref>{{rm|45|4|霊の淫念}}:「もう是からはスツパリと 松姫さまの上義姫 肉の宮をば思ひ切り」</ref> <ref>{{rm|45|15|曲角狸止}}:[[万公]]のセリフ「其奴ア面白い、さうすると、松姫さまを真から上義姫だと思つてゐるのだなア」</ref>
* [[小北山]]をウラナイ教から三五教に祭り変えた後は、小北山の「教主」となる。<ref>{{rm|51|1|春の菊}}:[[文助]]のセリフ「教主様の松姫様も」</ref> <ref>{{rm|51|20|狸姫}}:[[徳公]]のセリフ「此お館に小北山の教主松姫様が」</ref>
* 兄の[[常公]]からは「'''お松'''」と呼ばれている。<ref name="rm2115">{{rm|21|15|化地蔵}}:常公のセリフ:「俺の妹のお松は生意気な奴で、俺と信仰を異にし、到頭ウラナイ教の高姫の乾児になりやがつて、高城山で松姫と名乗り、立派にやつてけつかるのだ」</ref>

== 関連人物 ==
* [[松彦]](マツ公、松公):昔別れた夫<ref>{{rm|45|7|相生の松}}:「モウ此上は松姫も(略)昔別れし吾夫の 松彦さまが三五の」</ref>。[[治国別]]の弟。
* [[お千代]](千代子):松姫と松彦との間にできた娘。12~3歳<ref>{{rm|45|5|肱鉄}}:「松姫は千代と云ふ'''十二三'''の小娘を小間使として此処に引籠り」</ref>。
* [[常公]]:松姫の兄。[[アルプス教]]の信者。<ref name="rm2115" /> <ref>{{rm|21|16|約束履行}}:[[国依別]]のセリフ「実際はアルプス教の部下で、松姫さまの兄の'''常公'''迄が出て来て居るのだ」</ref>
* [[竜若]]:高城山の松姫館に仕えていた。後に[[竜国別]]に改名する。

== 松姫・松彦・お千代 ==
松姫は、10年前に別れた夫・[[松彦 (治国別の弟)]]と、生き別れた娘・[[お千代]](千代子)と、[[小北山]]で再会している。離別した経緯は{{rm|45|7|相生の松}}~{{rms|45|8|小蝶}}の3人の会話の中で語られている。それをまとめると次のようになる。

* 松姫と[[松彦]]は10年前に別れた。<ref>{{rm|45|7|相生の松}}:「恋しき吾夫松彦よ 夜の嵐に誘はれて 別れてから早十年 余りの月日を送りました」</ref>。
* 松姫は松彦と別れた時、妊娠していた。[[アーメニヤ]]を逃げ出す途中(もともとアーメニヤにいた?)[[フサの国]]の[[ライオン河]]の畔で、妊娠8ヶ月の娘・[[お千代]]を産んだ。酒に酔った男が通りがかり、母子を家に連れ帰り介抱してくれた。その男は[[フサの国]][[竹野の村]]の[[カーチン]]という白浪男で、有名な侠客<ref>{{rm|45|8|小蝶}}:松姫のセリフ「お千代は何分有名な侠客に育てられ、小さい時からスレツからしに育て上げられたものだから、肝玉も太く、年に似合はぬ早熟くさりで随分偉い事を云ひますよ」</ref>。[[カーチン]]夫婦には子がいなかったので、お千代を引き取って育ててくれた。松姫は[[フサの国]][[北山村]]の[[ウラナイ教]]へ入信し、宣伝使となり、[[自転倒島]]の[[高城山]]の教主となった。高姫が三五教に帰順したのに伴い、松姫も三五教に帰順し、[[言依別命]]の内命によって小北山へ入り込み実権を握った。<ref>{{rm|45|7|相生の松}}:松姫のセリフ「貴方にお別れした時に、私は身重になつて居つた事を覚えてゐらつしやるでせう」、「アーメニヤを逃げ出す途中、フサの国のライオン河の畔で腹が痛くなり、たうとう妊娠八ケ月で、可愛い女の子を生みおとしました」、「如何する事も出来ず、苦んで居る所へ、酒に酔うた男がブラリブラリと通り合せ、親切に吾家へつれ帰り、介抱をしてくれました。それが為に母子共に機嫌よく肥立ち、娘は其男に子がないのを幸ひ、貰つて貰ひ、私はフサの国北山村のウラナイ教へ信仰を致し、遂には抜擢されて宣伝使となり、自転倒島の高城山に教主となつて御用を致して居りましたが、高姫様の三五教へ帰順と共に私も三五教へ帰順致し、言依別命様の内命に依つて、小北山へいろいろと言を設け、うまく入り込んで、神業の為に、心を砕いて居ります」、「フサの国竹野の村のカーチンと 言つて名高き白浪男」</ref>
* [[お千代]]を育てた[[カーチン]]夫婦は死んでしまい、今はもういない。<ref>{{rm|45|7|相生の松}}:「さり乍らカーチンさまの夫婦づれ 今はあの世の人となりぬる」</ref>
* [[お千代]]は[[カーチン]]夫婦の帰幽後、侠客仲間の[[お寅]]が小北山に「ここで立派に育てたい」と言って連れて来た<ref>{{rm|45|8|小蝶}}:松姫のセリフ「あのお寅さまが連れて来たのですよ。同じ侠客同志で心安かつたと見えて、親も兄弟もない娘だから、ここで立派に育て上げ度いと云つて親切に連れて来たのです」</ref>。
* お千代はカーチン夫婦を産みの親だと思っていた。松姫が産みの親だとは知らずに、小北山の松姫館で小間使い<ref>{{rm|45|5|肱鉄}}:「松姫は千代と云ふ十二三の小娘を'''小間使'''として此処に引籠り」</ref>(または侍女<ref>{{rm|45|7|相生の松}}:「かかる所へ松姫の '''侍女'''のお千代が現はれて」</ref>)として仕えていた。<ref>{{rm|45|7|相生の松}}:お千代のセリフ「吾母と知らず知らずに懐しく 師の君様と思ひ仕へぬ」、「カーチンの父の命を生みの親と 慕ひて朝夕仕へ来にけり」</ref>
* 松姫はお千代が自分の娘だと気づいていたが、今名乗り出てはお千代のためによくないと思い、黙っていた。松彦が小北山を訪れた時に、松彦とお千代を呼んで、そのことをカミングアウトした。<ref>{{rm|45|8|小蝶}}:「それから私が様子を考へて居れば全く私の娘と云ふ事が分り、矢も楯も堪らず嬉しうなつて来ましたが、今名乗つては、あの子の為めによくないと思ひ、今日が日までも隠して居りました」</ref> <ref>{{rm|45|7|相生の松}}:松姫のセリフ「母よ子よと名乗らむものと思ひしが あたり憚り包み居たりし」</ref> <ref>{{rm|45|8|小蝶}}:松姫のセリフ「時々脱線振りをやつて蠑螈別さまや魔我彦さまをアフンとさせ、ヤンチヤ娘の名を擅にして居ります。それ故私も名乗つてやり度かつたなれど、故意とに隠して居りました」</ref>
* 松彦は松姫と別れた後、[[フサの国]]を巡り、[[バラモン教]]の[[大黒主]]の部下・[[ランチ将軍]]や[[片彦将軍]]に見いだされ、バラモン教の神司兼軍人として仕えた。[[河鹿峠]]で、生き別れた兄([[治国別]])と再会し<ref>{{rm|43|14|忍び涙}}~{{rms|43|15|温愛}}</ref>三五教に改宗する。[[野中の森]]で夜を明かした後、[[河鹿川]]の下流に架かる一本橋で、[[浮木の村]]の[[お寅]]と娘・[[お菊]]に出会う<ref>{{rm|44|18|一本橋}}</ref>。二人に案内されて松彦一行は小北山にやって来た<ref>{{rm|44|21|小北山}}</ref>。そこで松姫と再会した<ref>{{rm|45|7|相生の松}}</ref>。<ref>{{rm|45|7|相生の松}}:「お前に別れた其後は 世を果敢なみてウロウロと フサの国をば遠近と 巡り巡りて月の国 バラモン教の本山に 現はれ玉ふ神柱 大黒主の部下とます ランチ将軍片彦が 司の神に見出され 神の柱や軍人 二つを兼ねてまめやかに 仕へ乍らも両親や 兄の身の上汝が身を 思ひ案じて一日も 安く此世を渡りたる 時も涙にかきくれて 悲しき月日を送る折 尊き神の引合せ 河鹿峠の谷間で 恋しき兄に巡り会ひ 茲に心を翻へし 三五教に入信し 御伴に仕へまつりつつ 野中の森で夜をあかし 橋の袂に来て見れば お寅婆さまの母と子に 思はず知らず出会はし 縁の綱に曳かされて 思はず知らず来て見れば 日頃慕ひし吾妻は ここに居たのか嬉しやな」</ref>

== 主なエピソード ==
=== 第19巻 ===
([[高城山]]が舞台)

* 松姫は、[[お節]](三五教の宣伝使)によって心から改心することが出来た。松姫は後をお節に任せて高城山の館を飛び出し、身魂磨きの旅に出てしまう。〔{{rm|19|11|変態動物}}~{{rms|19|12|言照姫}}〕
** 実はそれ以前から、フサの国のウラナイ教の本山より[[高姫]]・[[黒姫]]({{rm|19|8|大悟徹底}}で改心し三五教に改宗している)の命令が降り、心はすでに三五教に帰順していたが、部下たちに突然そんなことを言っても理解されないので、どうしたらいいか思い悩んでいたところへ、[[お節]]が高城山を訪れた。<ref>{{rm|19|12|言照姫}}:松姫のセリフ「実の所はフサの国の本山より、高姫様、黒姫様の御命令が降り、心は既に三五教へ帰順致して居つたのですが、部下の皆さま達が俄にそんな事を云つたところで聞いて下さる道理もなし、どうしたらよからうかと思ひ煩つて居りました(略)此間からお節さまがお出でになり、いろいろと言葉を尽して三五教に帰るようとお示し下さつたけれども、余り易々と帰順すればお節さまの夫を思ふ真心の誠が現はれ難いと思つて、わざと心にも無い事を云うて頑張つて居りました。さうして紫姫様の御身の上を案じて助けたいと思ふ馬公、鹿公のお二方に花を持たしたいばつかりで、今迄頑張つて居たのです。私が心の底から改心を致しましたのは、大神様のお慈悲は申すに及ばずお節さまのお力と、馬公鹿公の主人を思ふ真心のお力でございます(略)私は今日限り此の館をあけて暫く修業に参り、身魂を研くつもりでございます。どうぞお節さま、馬公、鹿公と共に此館をお守り下さつて、数多の信者に誠の道を説いてやつて下さいませ」</ref>
* 松姫は[[高熊山]]に登り、岩窟の館で[[言照姫命]]から[[玉照彦]]を預かり、[[世継王山]]麓の悦子姫の館へ送り届けた。[[{{rm|19|14|声の在所}}~{{rms|19|16|玉照彦}}]]

=== 第45~46巻 ===
([[小北山]]が舞台)

* 三五教の宣伝使となった松姫は、[[言依別命]]の命により、小北山のウラナイ教に入り、教祖の[[蠑螈別]]の信頼を得て、小北山の実権を握った<ref>{{rm|45|5|肱鉄}}:「松姫は千代と云ふ十二三の小娘を小間使として此処に引籠りウラナイ教の実権を握つて居る。表面からは蠑螈別が教祖なれど実力は此松姫にあつた。それ故蠑螈別もお寅婆さまも一目を置いて内部では全部其頤使に甘んじて居た。無論此松姫はもとウラナイ教の取次で高城山に教主をやつて居た剛の女である(略)松姫は蠑螈別一派がウラナイ教の残党を集め小北山に霊場を開き邪教を宣伝しウラル教式を盛に発揮してゐたので、言依別命が特に松姫に命じウラナイ教に差遣はし、教理を根本的に改正せしめむとなし給うたのである」</ref>。松姫は曲神が潜む小北山を改良して三五教に立て直したいと考えていた<ref>{{rm|45|9|賞詞}}:松姫の歌「高姫司の開きたる これの教はさかしけど~霊主体従の正業を 豊葦原の国中に 宣伝せしめ三五の 御稜威を四方に輝かし」</ref>。
* 松姫の元・夫の[[松彦]]が小北山を訪れた<ref>{{rm|44|18|一本橋}}</ref>。松姫は侍女の[[お千代]]に、自分たちが産みの親だとカミングアウトし、親子3人が再会を遂げた。〔{{rm|45|7|相生の松}}~{{rms|45|8|小蝶}}〕
* 松姫・松彦・お千代の3人で協力して小北山を改良するために活動する。
* 教祖の[[蠑螈別]]らが小北山を飛び出して行った後、松彦・松姫らは小北山に修祓を行い、国治立大神を始め三五教の神々を鎮祭した。〔{{rm|45|20|蛙行列}}〕
* [[魔我彦]]・[[お寅]]も改心し、松彦の指揮によって小北山の祭神を一ヶ所に集めて、厳粛な修祓式を行い、誠の神を鎮祭することとなった。〔{{rm|46|18|エンゼル}}〕

=== 第51~52巻 ===
([[小北山]]が舞台)

* [[蠑螈別]]らが出て行った後、松姫は小北山の教主となった。
* [[高姫]]と[[妖幻坊の杢助]]が小北山に現れる。高姫(元ウラナイ教の教祖)は、昔弟子だった松姫(元ウラナイ教の高城山の取次)が教主だと知り、松姫に代わって自分が小北山の教主になろうとする。[[イソの館]]の総務である[[杢助]]([[妖幻坊]]が化けた偽の杢助)が、松姫の教主の役を解任する<ref>{{rm|51|2|怪獣策}}:高姫のセリフ「之から此高姫が此処の教主だから」</ref> <ref>{{rm|51|3|犬馬の労}}:文助のセリフ「実は高姫さまが見えまして厶ります。そして斎苑の館の総務杢助様までがおいでになり、何者か貴女の悪口を申したものと見えて、貴女は今日限り教主の役を解き、高姫様が教主となり、杢助様が出張して監督をなさる事になつたのだと云つて、今下に見えて居ります」</ref>。しかし[[お菊]]([[お寅]]の娘)からの情報や、[[初稚姫]]からの手紙によって松姫は、高姫は精神が乱れ、杢助は偽者だと知る<ref>{{rm|51|4|乞食劇}}:松姫のセリフ「初稚姫様の御手紙によれば、此頃はスツカリ精神乱れ、金毛九尾の悪狐や蟇や蛇や狸、鼬などの無料合宿所になつてゐられるとの事、それに又杢助と名告つてるのは、初稚姫様のお父さまでなくて大雲山の妖幻坊だとか、ほんとにいやらしい化物をつれて、夫婦気取りで、こんな処に出て来て松姫を追ひ出し、自分が教主にならうとは、どうした事だらう。私は別に此処の神司に執着心はないのだけれど、悪神にみすみす此処を開け渡して出る訳にも行かない」</ref>。〔{{rm|51|1|春の菊}}~{{rms|51|5|教唆}}〕
* 松姫は高姫と面会した。高姫は松姫に「神様の命令で自分が小北山の教主となり、松姫は生田の森へ更迭になった」と告げる。松姫は「イソの館の教主・[[八島主]]の辞令はあるか」と尋ねるが、高姫は屁理屈をこねて押し通そうとするので、松姫は要求を容れて、高姫に教主の事務引き継ぎを行うことにした。高姫新任の報告祭を行おうとすると、「[[石の宮]]」の神前から霊光が出て、高姫と妖幻坊の杢助はその霊光に打たれて小北山から逃げ出した。〔{{rm|51|6|舞踏怪}}〕
* [[妖幻坊の杢助]]は、小北山の受付・[[文助]]と衝突したはずみに「[[曲輪の玉]]」を落としてしまった。それを奪い返して来いと[[初・徳]]の二人に命じた。二人は文助に暴力を振るい、曲輪の玉を奪い取る。文助は打撲によって苦しみ悶えた<ref>{{rm|51|6|舞踏怪}}~{{rms|51|8|曲輪城}}、{{rm|51|16|暗闘}}</ref>。文助は[[中有界]]を彷徨った。松姫らの祈願によって文助は病から回復し、改心することが出来た。〔{{rm|52|7|玉返志}}~{{rms|52|11|千代の菊}}〕

== 関連項目 ==
* [[松姫館 (曖昧さ回避)]]

== 脚注 ==
<references/>

{{デフォルトソート:まつひめ}}
[[Category:霊界物語の人物]]

案内メニュー