金勝要神

出典: 出口王仁三郎と霊界物語の大百科事典『オニペディア(Onipedia)』
大地の金神から転送)
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金勝要神(きんかつかねのかみ)は、大地の金神。出口澄子の神霊。「禁闕要神」等と表記される場合もある。霊界物語には主に第1~6巻に登場する。

名称

  • 大本神諭霊界物語で、金勝要神の別名(あるいは説明)として「大地の金神(だいちのこんじん)」「大地の根神(だいちのこんじん)」「大地神界の根神」「大便所の神(かはやのかみ)」「雪隠の神(かはやのかみ)」と呼ばれている。[1]
  • 「きんかつかね」の漢字表記は大別して「禁闕」系(「禁闕要」や「禁闕金」)と「金勝」系(「金勝要」または「金勝兼」)の二種類ある。大本神諭・伊都能売神諭では「禁闕要」または「禁闕金」、霊界物語では「金勝要」と表記される場合が多い。[2]
  • 霊界物語での表記:金勝要大神、金勝要の大神、金勝要大御神、金勝要の大御神、金勝要之神、金勝要の神、禁闕要の大神、等。
  • 一般的には、「禁闕」と書いて「きんけつ」と読み、宮中とか宮中の門という意味である。禁闕 - コトバンク
  • 神名に付けられる尊称は「神」「大神」「大御神」である。国常立や素盞嗚のように「尊」や「命」が付けられている例は無い。
  • 大本神諭には「かわや」(旧仮名遣いだと「かはや」)の神ということは書いていないが、開祖・出口直がそのように教えていたので、「かわやの神」と呼ばれるようになったようである。霊界物語第1巻第8章女神の出現#に教祖(出口直)の話として次のように書いてある。「金勝要神は、全身黄金色であつて、大便所(かはや)に永年のあひだ落され、苦労艱難の修行を積んだ大地の金神様である。その修行が積んで、今度は世に出て、結構な御用を遊ばすやうになりたのであるから、人間は大便所の掃除から、歓んで致すやうな精神にならぬと、誠の神の御用はできぬ。それに今の人民さんは、高い処へ上つて、高い役をしたがるが、神の御用をいたすものは、汚穢(きたない)所を、美しくするのを楽んで致すものでないと、三千世界の大洗濯、大掃除の御用は、到底勤め上りませぬ」。
  • 霊界物語では1回だけ「大地の主宰神」と呼ばれている[3]。しかし霊界物語の他の箇所や大本神諭では「大地の主宰」は国祖国常立尊のことである[4]
  • 勝金木神(しょうきんきしん)」「正勝金木神(まさかかなぎのかみ)」と呼ばれる場合もある。
    • 伊都能売神諭 大正8年4月23日#:「禁闕金乃神と申す勝金木神(しようきんきしん)が世界の艮(とどめ)に表はれて、三千世界の艮めを刺すのは、モウ暫くの間であるから」(大本神諭・伊都能売神諭ではこの1回だけ)
    • 神霊界』大正8年8月15日号掲載「随筆#」:「明治二十五年正月元朝寅の刻に、始めて教祖に神憑あらせられたのは、艮の金神大国常立尊様でありました。次に竜宮の乙姫玉依姫命が神憑せられ、次に禁闕要の大神(正勝金木神(まさかかなぎのかみ))澄世理姫尊が御憑りになつたので」

概要

  • 初出:第1巻第8章女神の出現#
  • 金勝要神は稚姫君命の第五女の神である。[5]
  • 「この金勝要神が地球中心界の全権を掌握して修理固成の大業を遂げ、国常立尊へ之を捧呈し、国常立大神は地の幽界を総攬さるる御経綸である」[6]
  • 次の五柱の神は金勝要神の「分霊」[7]であり、この五柱の「総称」[8]が金勝要神である。また、そのうち四柱は金勝要神の四魂である。この五柱はそれぞれ五大陸の国魂神である。[9]
高照姫命 和魂 葦原の瑞穂国ユーラシア大陸
真澄姫命 幸魂 竜宮島オーストラリア大陸
言霊姫命 荒魂 蝦夷の島北米大陸
竜世姫命 奇魂 高砂島南米大陸
純世姫命 - 筑紫島アフリカ大陸
  • 思兼神は金勝要神の分霊である。[10]
  • 出口澄子は金勝要神の御魂であり、金勝要神の御用である。[11] [12] [13]
  • 金勝要神は我の強い神である。[14]
  • 「地底のもつとも暗黒い、もつとも汚れたところの地点に押込まれてをられた大地の金神、金勝要神(略)」[15]
  • 「大地の金神を金勝要神と称するは、大地の金気の大徳によりて固成され、この神の身魂に依りて凝縮保維されてゐるが故なり」[16]
  • 金勝要神は、結びの神(縁結びの神)とも呼ばれる。[17]
  • 国常立・素盞嗚・金勝要の三柱が祭られる場合、金勝要神は霊力体の「霊」(大地の霊魂、大地の神霊)とされる。国常立尊は「力」、素盞嗚尊は「体」である(その逆に国常立尊が「体」で素盞嗚尊が「力」の場合もある)。
    • 第11巻第23章保食神#:(コーカス山上にウラル彦・ウラル姫が三柱を祭った)「流石のウラル彦夫婦も、天地の神明を恐れてや先づ第一に国魂の神として、大地の霊魂なる金勝要大神を始め、大地の霊力なる国治立命及び大地の霊体なる素盞嗚命の神霊を鎮祭する事となつたのである」
    • 第11巻第24章顕国宮#:(第23章と同じ)「顕国の宮殿には大地の神霊たる金勝要神、大地の霊力たる国治立命及び大地の霊体の守護神神須佐之男大神を鎮め奉り、荘厳なる祭典を行ひ三柱の神の神力に依つて」
    • 第11巻第25章巫の舞#:「茲に神素盞嗚大神は、両刃の剣を神実として神殿に華々しく鎮祭し、大地の霊魂なる金勝要大神、霊力なる国治立大神の二柱を祭り」
    • 第35巻第15章救の玉#お愛の歌「豊葦原の瑞穂国 国の八十国八十島は 国治立の御体 神素盞嗚の御霊力 金勝要大神の 御霊の守らす国なれば」
    • 第36巻第6章意外な答#エームスの歌「天地を造り固めたる 国治立大御神 大地の力と現れませる 神素盞嗚大御神 大地の霊と現はれし 金勝要大神の 守らせ給ふ瑞穂国」

大本神諭における教示

大本神諭では金勝要神について主に次のように教示されている。

  • 大本神諭 明治30年旧11月6日#:「禁闕要大神様は縁結びの御神様、此の御神様を御願ひ申せば、添ひ度い縁なら添はして下さるぞよ。厭な縁なら切りても下さるぞよ。此の禁闕要大神様、世に落ちて居いでなされたが、此の世にお上りなされて御守護があるぞよ。此の結構な神様は、太古の神代から今迄落ちて居いでなされた神様であるぞよ」
  • 大本神諭 明治36年旧1月30日#:「変性男子が現はれて世界の守護致すには、明治三十六年の四月二十八日に岩戸開きと相定まりて、変性男子と変性女子と和合が出来て、金勝金の大神は純子に、龍宮の乙姫様は日の出の神に、夫れ夫れ御守護なされて、四魂揃ふて三千世界をナラし、今度の仕組を成就致さすので在るぞよ」
  • 大本神諭 明治36年旧5月19日#:「変性男子、変性女子、龍宮の乙姫殿日の出の神、金勝金の大神殿四魂揃うて御守護なさるなり」
  • 大本神諭 明治36年閏5月23日#:「変性男子女子、龍宮の乙姫どの日の出の神、坤の金神、金勝金の大神、世界に外には無き我の強い身魂斗りの寄り合ひで、其の身魂の差添に成る身魂も、皆我の強き身魂が皆我を折りて、此の大望な世の建替は、大勢は反りて邪魔が這入から、素直な身魂に結構な御用を命すから、皆不調法の無き様に勤め上げて下されよ」
  • 大本神諭 明治36年旧6月4日#:「変性男子と、変性女子と、龍宮の乙姫どのと、禁闕金の神と、四魂揃ふて世に落ちて居りた霊魂が御用いたして、神国の光を出すのであるぞよ」
  • 大本神諭 明治36年旧6月8日#:「変性男子と変性女子と竜宮の音霊観殿と禁闕金の神殿と四魂揃ふた御礼やら」
  • 大本神諭 明治43年旧4月18日#:「末子の澄どのも二代の御用が巡りて来て、禁闕要の大神と成りたら、今の如うな行状は為せんぞよ」
  • 大本神諭 明治43年旧9月28日#:「出口直が初発の教主、海潮が坤の金神、澄子が禁闕金乃大神、三代の御世継が出口直霊」
  • 大本神諭 大正4年旧6月11日#:「稚日女命は、地の底へ埋け込みて居りたなり、金勝金の大神どのは、我の強い御魂であるから、最醜悪界へ落してあり、竜宮の乙姫どのは。沓島の海の御居住でありたなり」
  • 伊都能売神諭 大正8年4月23日#:「禁闕金乃神と申す勝金木神(しようきんきしん)が世界の艮(とどめ)に表はれて、三千世界の艮めを刺すのは、モウ暫くの間であるから」

霊界物語における主なエピソード

金勝要神が舞台に登場して活躍するのは第1巻から第6巻までである。それ以降は名前が出るだけである。

地の高天原竜宮城においてどのような役職なのかは記されていないが、稚姫君命大八洲彦命[18]と列記される場合が多いので、三役の末席的な地位にいるようである。

【例】

  • 第1巻第22章国祖御隠退の御因縁#:「一方国常立尊は自分の妻神坤金神と、大地の主宰神金勝要神および宰相神大八洲彦命その他の有力なる神人と共に」
  • 第1巻第35章一輪の秘密#:「ここに国常立尊は厳の御魂(注・稚姫君命のこと)、瑞の御魂(注・大八洲彦命のこと)および金勝要神に言依さしたまひて、この両島に三個の神宝を秘め置かせたまうた(略)ここに稚姫君命、大八洲彦命、金勝要大神は、三個の神宝を各自に携帯して」
  • 第1巻第37章顕国の御玉#:「国常立尊の厳命を奉じ、ここに天使稚姫君命、同大八洲彦命、金勝要神の三柱は」

第1巻

第2巻以降

脚注

  1. 霊界物語での使用回数は「大地の金神」10回、「大地の根神」0回、「大地神界の根神」1回、「大便所の神」1回、「雪隠の神」1回。大本神諭での使用回数は「大地の金神」3回、「大地の根神」1回、他は0回。
  2. 霊界物語での使用回数は、金勝要116回、禁闕要3回、計119回。大本神諭での使用回数は、禁闕要9回、禁闕金8回、禁勝金1回、金勝金7回、金勝要1回、金勝兼1回、計27回。
  3. 「大地の主宰神」は次の1回だけ出る。第1巻第22章国祖御隠退の御因縁#:「一方国常立尊は自分の妻神坤金神と、大地の主宰神金勝要神および宰相神大八洲彦命その他の有力なる神人と共に、わびしく配所に退去し給うた」
  4. 【例】第1巻第20章日地月の発生#:「自分の眼の前には、何時のまにか、大地の主宰神にまします国常立大神と、稚姫君命が出御遊ばしたまうた」
  5. 第1巻第24章神世開基と神息統合#:「この神人は稚姫君命の第五女の神である」
  6. 第1巻第24章神世開基と神息統合#
  7. 第8巻第10章仮名手本#:「この高砂島は金勝要大神の分霊竜世姫神の御守護なるぞ」。第10巻第9章尻藍#:「金勝要大神の御分霊言霊姫命の鎮まり給ふ常世国」
  8. 第6巻第25章金勝要大神#:「その五柱を総称して、金勝要神といふ」
  9. 第3巻第45章猿猴と渋柿#第6巻第25章金勝要大神#
  10. 第15巻第10章神楽舞#:「思慮分別最も深き神と聞えたる、金勝要の大神の分霊思兼神は」
  11. 『神霊界』大正9年1月15日号掲載『随筆#』:「皇道大本は艮の金神国常立尊が神政成就の神策地であつて、二代の教主が大地の金神禁闕要能神の御魂で厳の御魂の御用と神定されたのである」
  12. 大本七十年史 下巻』「二代の継承#」:「神諭には「出口なおの後の二代の御用を勤めさすのは末子のおすみが定めてあるなり……末子のすみどのも二代の御用が巡りて来て、金勝要の大神と成りたら……」(明治43・旧4・18)とあり、また「大地の金神様を金勝要の神様と申すぞよ」(明治27・旧1・3)とある。さらに「地では金勝要の大神様が一の主なり、国常立尊と豊国主尊が夫婦揃ふて御側役をいたすなり」(大正8・4・13)等々とあって、すみ子夫人は大本二代の世継ぎであるとともに、その「みたま」は金勝要の神であると示されていた。(略)そこには艮の金神・坤の金神のご用にくわえて、大地の金神すなわち金勝要の神のご用を果さねばならないとする、おおきな使命感が脈うっていたといってよい。」
  13. 第15巻第11章大蛇退治の段#:「明治三十一年の秋瑞の御魂の神代に須佐之男神神懸したまひて綾部の地の高天原に降りまし、老夫と老女の合体神なる出口教祖に対面して汝等は誰ぞと問ひたまひし時に、厳の御魂の神代なる教祖の口を藉りて僕は国津神の中心神にして大山住の神也。神の中の神にして天津神の足名椎となり手名椎となりて、天の下のオトメを平かに安らかに守り助けむとして、七年の昔より肥の河上に御禊の神事を仕へ奉れり。又この肉体の女の名は櫛名田姫(注・出口澄子のこと)と申し、本守護神は禁闕要の大神なりと謂し玉ひしは、以上の御本文の実現なり」
  14. 大本神諭 大正4年旧6月11日#:「金勝金の大神どのは、我の強い御魂であるから」
  15. 第1巻第24章神世開基と神息統合#
  16. 第6巻第25章金勝要大神#
  17. 第11巻第29章千秋楽#:「結びの神と聞えたる 金勝要の大御神」、大本神諭 明治30年旧11月6日#:「禁闕要大神様は縁結びの御神様、此の御神様を御願ひ申せば、添ひ度い縁なら添はして下さるぞよ。厭な縁なら切りても下さるぞよ」
  18. 大本神業においては稚姫君命は出口直に、大八洲彦命は王仁三郎に相応する。
  19. この「瑞の御魂」とは大八洲彦命のことか? このエピソードは大本神業だと、悪神たちが出口澄子を手に入れるために王仁三郎を排斥しようとしたことに相応すると思われる。
  20. 第1巻第24章神世開基と神息統合#;「しかしながら地の高天原へ攻め寄せるには、どうしてもヨルダンの大河を渡らねばならぬ~瑞の御魂の排斥運動を試みた」、第1巻第25章武蔵彦一派の悪計#:「(略)ふたたび計を定め、金勝要神を薬籠中のものとせむとした。その主謀者は奸智に長けたる春子姫であつた」、「竹熊はまづ第一に金勝要神をわが手に籠絡せむとし」、「一旦退却した竹熊の一派は(略)執念深くも金勝要神を手にいれむと百方苦心をめぐらし」、第1巻第26章魔軍の敗戦#:「竹熊は(略)こんどは金勝要神を手に入るることを断念し、大八洲彦命を高天原より排除せむとした。然るに、足長彦はなほ依然として金勝要神をねらひ、寅熊も亦同じく之を内心ひそかにねらつてゐた」
  21. 第3巻総説#に「本巻は、国大立命および金勝要神、大将軍沢田彦命の隠退さるるまでの霊界の消息を伝ふることとせり」とあるが、「国大立命」とは初代天使長・大八洲彦命とその配下の三天使のことであり(この四柱は国大立命の四魂)、「金勝要神」とは二代天使長・高照姫命と配下の三天使のことである(この四柱は金勝要神の四魂)。「沢田彦命」は三代天使長。